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一人暮らしの高齢者にとって、「もしもの時に誰にも気づかれなかったら」という不安は、大きな懸念事項の一つです。
社会の変化とともに、一人暮らしの高齢者は増加傾向にあり、もはや一人で老後を過ごすことは珍しくありません。
人生の後半を豊かに、そして何よりも「安心」して過ごすためには、今のうちにこれからの住む場所について考えておくことが大切になります。
老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、高齢者シェアハウス、賃貸住宅など、選択肢は多岐にわたりますが、「一体どれを選べばいいのだろう?」と迷ってしまう方も少なくないでしょう。
本コラムでは、
「どこを選べばいいの?」
「費用はどれくらいかかるのでしょう?」
「もし病気になったらどうすればいいでしょうか?」
といった皆さまのさまざまな疑問や不安を解消するため、私たちが安心して暮らすための住まい選びについて、様々な選択肢の「良い点」と「気を付ける点」を、具体的な例を交えながら詳しくご紹介します。
日本は今、高齢化が大きな流れになっていますね。
それに伴い、一人暮らしの高齢者の方がとても増えています。
内閣府が令和6年度に発表した「高齢社会白書」によると、2022年には65歳以上の約3世帯に1世帯(約873万世帯)が一人暮らしだそうです。
1980年と比べると、この割合は大きく増えています。
人数で見てみても、2020年には約671.7万人(男性約230.8万人、女性約440.9万人)で、2040年には1,000万人を超えると言われています。
お子さんが独立して遠方に住んでいる、長年連れ添ったパートナーとのお別れがあったなど、一人暮らしを選ぶ理由は人それぞれだと思います。
一人だからこその自由さや気楽さはもちろんありますよね。
ただ、一方で「急に体調が悪くなったらどうしよう」「転んで起き上がれなくなったら…」といった不安がよぎることもあるかもしれません。
実際に、一人暮らしの高齢者の方が自宅で倒れて発見が遅れるという悲しいニュースを聞くこともあります。
また、ご家族が遠方に住んでいる場合、「何かあった時にすぐに駆けつけられない」という心配を感じることもあるでしょう。
だからこそ、もしもの時に備え、安心して暮らせる「住む場所」を選ぶことが、心穏やかな毎日を守る上でとても大切になります。
高齢期に入り、様々な理由から今の住まいから移り住むことを検討する際、意外と多くの選択肢があることに驚かれるかもしれません。
高齢者の一人暮らしにとって、どこに住むかは非常に重要な決断となります。
それぞれの良い点と、少し気を付けておきたい点を見ていきましょう。
また、住まいの種類や提供されるサービス、さらに地域によっても、必要となる金額は大きく異なります。
最後に、全国平均と東京都内での費用相場を一覧表にまとめてご紹介しますので、あわせてチェックしてみてください。
「老人ホーム」と聞くと、少し重いイメージを持つ方もいるかもしれませんね。
しかし、今は様々なタイプのホームがあり、医療や介護が必要な方が安心して暮らせるよう、手厚いサービスが提供されています。
専門のスタッフが24時間体制で、食事、入浴、着替えなどの介助をしてくれるので、体が不自由になっても安心できるでしょう。
看護師が常駐していたり、協力医療機関との連携がしっかりしているため、健康管理も任せられます。
レクリエーションやイベントが多く、他の入居者との交流も活発なため、一人暮らしの寂しさを感じにくいかもしれませんね。
最近よく耳にするようになった「サ高住」。
これは、バリアフリーの賃貸住宅で、普段の生活は自分のペースで送れる自由さがありながら、安否確認や生活相談といったサービスが義務付けられているのが特徴です。
食事の提供や掃除、入浴サポート、レクリエーションなど、生活支援サービスが充実している施設も多く、比較的自由度の高い暮らしを送れるのが魅力でしょう。
毎日スタッフが声かけをしてくれたり、緊急時には駆けつけてくれたりするので、一人暮らしの不安が和らぐでしょう。
基本的にはアパートやマンションと同じように自分の部屋で生活するので、生活スタイルを大きく変える必要はありません。
必要なサービスだけを選んで利用できることも多いでしょう。
食事の提供やレクリエーションがある施設も多く、他の入居者との交流の機会も自然と増えるでしょう。
近年、新しい住まいの形として注目されているのが「高齢者向けシェアハウス」です。
これは、複数の高齢者が一つ屋根の下で共同生活を送るスタイルです。
プライベートな個室がありながら、リビングやキッチン、浴室などを共有し、共同で家事を行うこともあります。
血縁関係のない人同士が家族のように支え合う「疑似家族」のような関係が生まれることもありますね。
実は、この高齢者向けシェアハウスは、国も力を入れて整備を進めている選択肢の一つです。
地域で高齢者が孤立せず、交流しながら安心して暮らせる場として、政府もその普及を後押ししているようです。
一人暮らしではないので、話し相手がいて寂しさを感じにくいでしょう。
孤立を防ぎ、精神的な健康にも繋がるはずです。
家賃や光熱費などを分担するため、費用を抑えられる場合があります。
「やっぱり、今の生活スタイルを変えたくない」という方に馴染み深いのが、一般の賃貸住宅です。
アパートやマンションを借りて、自分のペースで自由に暮らしたい方に選ばれています。
老人ホームやサ高住に比べて、家賃などの費用を抑えられる場合が多いでしょう。
誰にも気兼ねなく、自分の好きなように時間を使って暮らせます。
長年住み慣れた地域や、友人・知人が近くにいる場所で暮らし続けられる可能性が高いです。
持ち家と違い、固定資産税や修繕の心配がありません。
それぞれの住まいには、安心感や自由度、人との関わり方、サポート体制など、特徴に大きな違いがあることがわかりましたね。
そして、もうひとつ気になるのが「実際にどれくらいの費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
費用は住まいの種類だけでなく、地域によっても大きく異なります。
特に東京都のような都市部では、同じタイプの住まいでも全国平均と比べて費用が高くなる傾向にあります。
以下に、高齢者向けの主な住まいについて、全国と東京都内の費用相場を一覧表にまとめました。
住まい選びの参考として、月額費用だけでなく、初期費用(入居一時金や敷金など)もぜひチェックしてみてください。
もちろん、これらはあくまで目安です。
施設や物件によって提供されるサービスや立地条件によって費用は異なりますので、気になる住まいが見つかったら、具体的な金額や内容を直接確認することが大切です。
足腰はまだ大丈夫でしょうか? 持病はありますか?
将来、体が不自由になった時に、その住まいで介護サービスを受けられるか、病院へのアクセスはどうか、併せて確認することをおすすめします。
今は元気でも、10年後、20年後はどうなっているでしょうか。
今の快適さだけでなく、10年後、20年後にもその住まいで無理なく生活を続けられるかを見極めることが大切です。
年金収入や貯蓄、その他の資産がどれくらいあるか、まずはしっかり把握してみましょう。
家賃だけでなく、管理費、光熱費、食費、介護サービス費用、医療費、もしもの時の費用など、毎月、そして年間でかかる費用を具体的に計算してみましょう。
「これは無理なく払い続けられるかな」という金額を見つけることが大切です。
お子さんやご兄弟など、大切なご家族がいらっしゃる場合は、早めに住まいについて話し合ってみることをおすすめします。
あなたの希望を伝え、ご家族の意見も聞くことで、より良い選択に繋がります。
万が一の時の連絡体制や、誰に何を頼むかなど、具体的に決めておくことで、ご家族の負担を減らすことにも繋がります。
今回のコラムでご紹介したように、住む場所にはさまざまな選択肢があります。
そして、賃貸住宅のような自由な暮らしを選んでも、それを支えてくれる様々なサービスもありますね。
どこで、どんなふうに暮らしたいか。自分に合った選択肢を知り、納得できる形を見つけていくことが大切です。
このコラムが、その一助となれば幸いです。ぜひ今後の住まい選びに役立ててみてください。
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