顧客との信頼関係を築くためのコールセンターって?
コールセンターサービスの歴史と技術変容
日本におけるコールセンターサービスの歴史は、電話の普及とともに始まりました。
コールセンターサービスを知る上で、電話というコミュニケーション手段を企業が活用するようになった歴史や変容についてまずは解説していきます。
発祥 1970年代
企業の問い合わせやクレーム対応のためにコールセンターの原型が登場しました。
1975年頃には電話転送装置が普及し、「電話秘書サービス」が誕生しました。
電話秘書サービスとは・・・
発祥と背景
1970年代、日本の企業は急速に成長し、顧客からの問い合わせやクレームが増加しました。
これに対応するため、企業は専任のスタッフを配置する必要がありましたが、コストや人員の問題がありました。
こうした背景や企業のニーズから、電話秘書サービスが登場し、企業の代わりに電話を受け、必要な情報を記録し、適切な担当者に伝える役割を果たしました。
技術と運用
1975年頃には電話転送装置が普及し、電話秘書サービスの運用が効率化されました。これにより、複数の企業の電話を一つのセンターで受けることが可能となりました。
当時はすべての対応がマニュアルで行われており、オペレーターが直接電話を受け、メモを取って担当者に伝える形式でした。
サービスの内容
電話の受信、メッセージの記録、担当者への転送などが主な業務でした。これにより、企業は自社のスタッフを電話対応から解放し、コア業務に集中することができました。
なお、一部の電話秘書サービスでは、簡単な問い合わせ対応や予約受付などの業務も行っていました。
電話秘書サービスを導入することで、企業は電話対応にかかる時間とコストを削減でき、専門のオペレーターが対応することで、顧客対応の質も向上しました。
業務効率化が図れるサービスとして、特に中小企業にとって有用であり、1970年代から1980年代にかけて市場が拡大しました。
その結果、現代のコールセンターやコンタクトセンターの基盤となる重要な役割を果たしました。
技術革新 1980年代
1982年にデジタル交換機が登場し、音声品質が向上しました。CTI(Computer Telephony Integration)の導入により、電話とコンピューターの連携が可能となり、業務効率が大幅に向上しました。
主な機能として、
- ポップアップ機能 : 電話がかかってくると、顧客情報がコンピュータ画面に自動的に表示されます。これにより、オペレーターは迅速に顧客対応ができます。
- 通話記録 : 通話内容を録音し、後で確認できるようにする機能があります。これにより、品質管理やトレーニングに役立ちます。
- 自動発信・転送 : 事前に設定したルールに基づいて、通話を自動的にルーティングしたり、特定の担当者に転送したりすることができます。
※CTIについては別のコラムで詳しくご案内します。
CRMの導入 1990~2000年代
1990年代後半から2000年代にかけて、CRM(Customer Relationship Management)が導入され、顧客情報の管理やデータ分析が可能となりました。
これにより、コールセンターは単なる問い合わせ対応から、顧客関係の構築へと役割が拡大しました。
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係を管理し、強化するための戦略やシステム。
主な機能として、
顧客情報管理:顧客の基本情報や購買履歴、コミュニケーション履歴を管理します。
データ分析:顧客データを分析し、マーケティング戦略や営業活動に活用します。
マーケティング支援:メール配信やキャンペーン管理など、マーケティング活動を支援する機能があります。
営業支援:営業活動の管理や進捗状況の把握をサポートします。
※CRMについては別のコラムで詳しくご案内します。
クラウドPBX(Private Branch Exchange)の登場 2010年代
インターネット回線を利用したクラウドPBXが登場し、在宅勤務やテレワークが可能となりました。
PBX(Private Branch Exchange)とは、企業内の電話通信を管理・制御するためのシステム。
インターネットを利用して電話機能を提供するため、在宅勤務やリモートワークにも対応できます。これにより、場所を問わずに業務を行うことができ、物理的な機器が不要なため、初期導入コストやメンテナンスコストを削減できます。
※PBXについては別のコラムで詳しくご案内します。
AI技術の活用 2020年代
音声認識やチャットボットなどのAI技術が導入され、業務効率化が進んでいます。これにより、オペレーターの負担軽減や顧客対応の質向上が期待されています。
まとめ
コールセンターではなく、コンタクトセンターへの進化
コールセンターは電話対応だけでなく、メール、チャット、SNSなど多様なチャネルを統合したコンタクトセンターへと進化しました。
これにより、オムニチャネル対応が可能となり、顧客体験の向上が図られています。
オムニチャネルとは、オムニ=「すべて」「全体」、チャネル=「経路」「道筋」、つまり、オンライン(ECサイト、SNS、モバイルアプリなど)とオフライン(実店舗、DM、コールセンターなど)のすべてのチャネルを統合することで、顧客がどのチャネルを利用しても一貫したサービスを受けることができることを指します。
技術革新とともに市場成長
特に、クラウドベースのソリューションやAI技術の導入が進んでおり、今後もさらなる発展が見込まれています。
日本のコールセンターは技術の進化とともに業務内容が多様化し、顧客対応の質を向上させるための様々なサービスが普及しています。
新たにコールセンターサービスの導入を検討している、既に導入しているが課題もあり見直しが必要と感じている、自社でコールセンターサービスを運営・提供したい、などといったコールセンターサービス全般について、情報を発信していきます。
ホームネットのコールセンターでも、上記システムを取り入れた結果、多くの企業様から選ばれ、2024年11月現在、258窓口のコールセンターを運営させていただいております。
サービスの詳細については、下記のリンクをご覧ください。
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