
認知症のひとり歩きに安心を。後悔しないGPSの選び方と賢い利用方法
少子高齢化が急速に進行する日本において、地方自治体が最優先で取り組むべき福祉課題の一つが「認知症高齢者への支援」です。
一刻を争う行方不明事案の早期発見に向け、多くの自治体が「見守り機器(GPS端末)の貸与・助成事業」の立ち上げに踏み切っています。
しかし、いざ運用を始めると、予算やマンパワー、利用者の伸び悩みといった多くの「壁」にぶつかるケースが後を絶ちません。
本コラムでは、理想的な包括ケアとして注目されている、兵庫県神戸市のパッケージ施策認知症の人にやさしいまち「神戸モデル」を徹底解説。民間企業(運用パートナー)と連携した、形骸化させない「真に実効性の高い見守り体制」の作り方を紐解きます。
認知症の有病率が年々上昇するなか、一刻を争う行方不明事案の早期発見において、位置情報を確認できるデジタルツールの活用は不可欠になりつつあります。
しかし、いざ事業を計画・運用しようとすると、自治体の現場では次のような課題に直面することが多くあります。
「せっかく予算をとって事業を始めたのに利用者が伸び悩んでいる」「端末を配っただけで、その後の家族へのサポートが十分に機能していない」……
そんな現場のリアルな悩みを解決するヒントとして、今注目されているのが神戸市の取り組みです。
神戸市が実施している「認知症神戸モデル」とは、一言で言えば、認知症の「早期受診」から、診断後の「事故救済・見守り」までを行政が一連の流れとしてサポートする、包括的な認知症高齢者の支援施策です。
多くの自治体における認知症施策は、「GPSの貸与」「認知症サポーターの養成」「事故時の保険加入」など、それぞれのメニューが単発の事業として独立して予算化・運用されがちです。
しかし、神戸モデルの最大の特徴は、これらをバラバラにせず、「ひと繋ぎの仕組み」として一体化させている点にあります。
神戸市はこの施策を進めるため、2018年(平成30年)に「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定。
翌2019年(平成31年)1月より、まずは診断助成制度を開始し、同年4月からは事故救済制度をスタートさせました。
この確固たる条例という土台の上で、認知症の疑いの有無を診断する「認知機能検診」(第1段階)と専門の医療機関で認知症かどうかと、病名を診断する「認知機能精密検査」(第2段階)を組み合わせた2段階方式の診断を自己負担なしで行う「診断助成制度」、精度と認知症の方が事故を起こした場合に支援を受けられる「事故救済制度」という、2つの制度を組み合わせる構造を構築したのです。
認知症施策において、最もハードルが高いとされるのが「受診の勧め(受診勧奨)」です。
本人が「自分はまだ大丈夫だ」と拒否したり、家族も「ただの物忘れだろう」と現実から目を背けてしまったりすることで発見が遅れ、ある日突然、深刻な行方不明事案が発生してしまうケースは非常に多いものです。
認知症神戸モデルでは、この初期段階のハードルを心理的・経済的に取り除くため、「2段階の診断助成制度」を導入しています。
対象は65歳以上の神戸市民です。
まずは、誰もが気軽に検診を受けられるよう、地域の身近な医療機関での「認知機能検診」を自己負担なし(無料)で提供しています。
市から対象者へ受診券を発行し、医師による検診を行います。
第1段階の検診で「認知症の疑いあり」と判定された場合、認知症かどうかと病名の診断をするため、専門医療機関での「精密検査(頭部のCTやMRIの画像検査、認知機能の状態を測るための神経心理検査など)」へと進みます。
この段階でも、保険診療の自己負担分を後日、市が全額助成します。※申請が必要になります。
診断助成制度によって「認知症」であると判定された後、そのまま本人やご家族を突き放してしまっては意味がありません。
神戸モデルでは、診断された後の生活を広範囲でカバーしつつ支援する「認知症事故救済制度(5つの安心)」を用意しています。
万が一の行方不明や事故に備えた以下のような手厚いサポートが受けられます。
認知症と診断された方が事故を起こし、賠償責任を負われた場合(例:水漏れを起こし階下に損傷を与えた、施設の供用のトイレと洗面台を紙やタオルでつまらせた)に対し、最高2億円まで補償される賠償責任保険に、市が保険料を全額負担して加入できます。
※事前登録が必要です。
認知症の方が起こした事故で被害に遭った方に、市から独自の「見舞金(給付金)」が支給される仕組みも備わっています。
万が一、認知症の方が事故を起こしてしまった、あるいは事故に遭ってしまったという緊急事態に備え、24時間365日体制で事故対応等の相談を受け付ける専用の窓口を設置しています。
行方不明対策として効果的なのが、このGPSサービスです。
認知症により一人歩きをしてしまう恐れがある方を対象に、行方不明になることを未未然に防ぐためGPS端末を活用した位置情報検索サービスを提供しています。
重要なのは、その導入や維持における行政の手厚い補助体制です。
これにより、ご家族は経済的な負担を抑えながら、精度の高いGPS見守り機能を利用することができます。
そして、この「GPSサービス」において、位置情報の検索システムを提供し、万が一の際のご家族から要請があった場合に迅速に位置を特定しスムーズな連絡・引き継ぎをサポート。
また日常の健康相談窓口の運営などを一手に担っている民間パートナー企業の一つが、私たちホームネット株式会社です。
そして、5つ目の安心が認知症高齢者等が行方不明になった時、迅速な身元確認・保護につなげるための「みまもりシール」の無料交付です。
発見者が衣服等に貼られたシールの二次元コードをスマートフォン等で読み取ると、市ホームページが表示されます。
ホームページに記載のコールセンターに電話をし、シールの番号と現在地を伝えることですぐに身元確認を行い、コールセンターが警察へ連絡し、行方不明者の迅速な身元確認と保護につながります。
シールには登録番号しか記載がないため、個人情報も守られます。
神戸市の事例は、多くのヒントを与えてくれます。
他自治体の担当者様が、これから独自のGPS見守り事業や機器貸与事業を企画する際、成功に導くためのポイントは以下の3点に集約されます。
市場には安価なGPS端末があふれています。
しかし、高齢者福祉の現場で本当に必要なのは「物」ではなく「運用の仕組み」です。
「端末の充電を忘れてしまい、いざという時に位置がわからない」「夜間の捜索時に、役所の窓口が閉まっていて家族が途方に暮れる」……
こうした現場のリアルなトラブルに対応できるサポート体制がセットになっていなければ、事業の継続は不可能です。
自治体の限られた人員で、24時間365日の緊急対応や、迅速な位置情報の追跡などの連携体制を維持するのは現実的ではありません。
だからこそ、神戸市のように「制度設計や予算の枠組みは行政が行い、実際の24時間365日のシステム運用や相談窓口、万が一の際の位置検索や初動の連携実務は、ノウハウを持つ民間企業へ一括して委託する」という官民連携の形をとることが、最も実効性が高く、結果として行政の負担軽減にも繋がります。
利用者が増えない事業の多くは、申請手続きが煩雑であったり、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの連携が不足していたりします。
医療機関での受診の流れと、見守りサービスの利用申請がスムーズに連動する仕組みづくりが必要です。
神戸市が誇る「認知症神戸モデル」は、緻密な制度設計と、それを支える持続可能な財源、そこで活きる民間企業の確かな運用力が三位一体となることで、初めて高い成果を上げています。
私たちホームネット株式会社は、この「神戸モデル」における「認知症一人歩き見守りサービス」の受託事業者として、現場の最前線で多くの認知症高齢者とそのご家族に伴走し続けています。
私たちが提供しているのは、単なるGPS端末の提供ではありません。
長年培ってきた「確かな運用実績とノウハウ」が、私たちの中に蓄積されています。
「我が街でも、神戸市のような実効性の高い認知症見守り事業を立ち上げたい」 / 「予算の規模に応じた、最適なGPS機器の導入・運用プランを提案してほしい」 / 「企画書や稟議書を作成するにあたり、他都市の具体的な成功事例や課題のクリア方法について情報交換がしたい」
どのような段階でも構いません。
自治体の福祉課、高齢者支援課、介護保険課の担当者様は、ぜひ一度、ホームネット株式会社へお気軽にお問い合わせください。
住民の皆様が、認知症になっても住み慣れた地域で最期まで安心して暮らし続けられる、そんな「やさしいまちづくり」の実現に向けて、私たちは自治体の皆様の最も心強いパートナーとして全力で並走いたします。
ホームネットでは自治体と連携しGPSを活用した位置検索サービスを提供しています。
GPS端末は、小型の端末且つ軽量で装着しやすいもので提供しています。
また、オプションサービスとして、GPS端末を収納できる靴やお気に入りの靴の加工も可能です。
詳細については、下記のリンクをご覧ください。
最新記事
アーカイブ
INQUIRY