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特殊清掃とは?リスクと回避の進め方

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特殊清掃とは?リスクと回避の進め方

賃貸物件において、孤独死や事故死が発生した場合には「特殊清掃」が必要となるケースが増えてきました。
ここでは特殊清掃の概要、必要となるリスクへの対応、さらにリスク回避のための方法について解説します。
管理会社様や賃貸物件のオーナー様、高齢者の入居を希望される方の参考となれば幸いです。

特殊清掃の現状と背景

特殊清掃の件数が高まっている背景には、都市部での孤独死の増加、全国的な自殺件数の多さ、そして地域でのつながりが希薄化していることが挙げられます。
ここでは、それぞれについて詳しく見ていきます。

東京23区内の孤独死件数

東京23区内では高齢者の孤独死が増加しており、東京都監察医務院の統計によれば、令和2年に東京23区内で自宅で亡くなった65歳以上の一人暮らしの高齢者は4,207人に達し、前年より1.35倍の増加となりました。
(出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/backdata/01-01-03-14.html)
特に65歳以上の単身高齢者が多く、地域社会での孤立が問題となっています。
孤独死の増加に伴い、事故物件と化してしまう事例も多く、家主や管理会社にとってリスクが高まっているため、早期発見や対応が重要視されています。

日本全国の自殺件数

日本全国での自殺者数も高い水準で推移しており、厚生労働省の令和5年のデータでは、年間で約2万人以上の自殺が確認されています。
(出典:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R06/R5jisatsunojoukyou.pdf)
精神的にサポートを受ける機会が少ないことも自殺増加の一因になりうる可能性があります。
孤独死と同様に、賃貸物件内での自殺案件も特殊清掃が必要となるケースが多いため、物件管理者にとってはリスク管理が求められます。

地域での付き合い

近年、地域での付き合いの希薄化も孤独死の増加に拍車をかけています。
特に都市部では隣人や地域社会との関係が薄くなり、一人暮らしの高齢者が孤立しやすくなっていることが分かっています。
地域社会での助け合いが少ないため、単身高齢者が長期間にわたって放置される可能性が高く、孤独死が発生しやすい状況が生まれています。
こうした社会背景から、孤独死や自殺が賃貸物件内で発生するリスクが高まっており、特殊清掃のニーズが増加しています。
管理会社様や賃貸物件のオーナー様にとっては、事前の対策が必要不可欠となっています。

特殊清掃とは?

事故物件化には条件がありますが、国土交通省の人の死の告知に関するガイドラインによると、そのうちの一つが「特殊清掃が発生していること」です。

「特殊清掃」とは、通常の清掃では対応しきれない汚染物質や臭気を除去するための専門的な清掃作業を指します。
孤独死や事故死が発生した現場では腐敗物や血液、体液が広範囲にわたるため、消毒や除菌、害虫駆除など、専門的な技術と機材が不可欠です。

具体的に見ていきましょう。

体液や血液などが残っている場合
現場に血液や体液が染み込んでいる場合、細菌やウイルスが繁殖しやすく、衛生的なリスクが高まるため、専門的な除去作業が必要です。

腐敗臭が発生している場合
孤独死などで発見が遅れた場合、腐敗臭が家具や建材に染み付いていることがあります。このような場合は、臭気除去作業が必要となります。

害虫が発生している場合
腐敗に伴いハエやウジなどの害虫が発生する場合があり、これらを駆除する作業も必要です。

物件全体に健康被害を及ぼす恐れがある場合
現場が他の住人や周辺環境に影響を及ぼす程の被害がある場合、より徹底した清掃と除菌作業が必要です。

特殊清掃<対応方法>

特殊清掃が必要な場合、現場の状況に応じて慎重かつ専門的な手順で作業が進められます。
一般的な流れについて説明します。

現場確認・見積もり
作業開始前に、現場の状況を詳しく確認します。

  • 汚染の種類と範囲の確認:血液や体液の浸透状況、臭気の強さ、害虫の発生有無を評価します。
  • リスク評価:感染症や二次的な健康被害の可能性を考慮し、適切な防護具や清掃方法を決定します。


汚染物の搬出
汚染された物品や建材をまとめて搬出します。
この時も近隣の迷惑にならないよう、匂い漏れ対策などの処置を行います。

  • 吸収性の高い素材の除去:畳、カーペット、布製家具、壁紙などに浸透した体液や血液は取り除きます。
  • 専門処理の必要性:撤去した物は感染防止のため、専門業者による適切な廃棄処理が行われます。


消毒と除菌
汚染物を搬出した後、消毒と除菌を行います。
害虫などの駆除にも効果があります。

  • 化学薬品使用:塩素系やアルコール系の消毒剤を使用して、ウイルスや細菌の拡散を防ぎます。
  • 接触頻度の高い場所:ドアノブやスイッチ類も重点的に消毒します。


脱臭作業
作業の完了後、現場の状態を再確認し、必要に応じて脱臭作業を追加します。

  • 臭気の除去:オゾン発生器や特殊な薬剤を使用して、腐敗臭や汚染物の残り香を取り除きます。
  • モニタリング:臭気が完全に除去されるまで作業を繰り返します。


ポイント!  実際の清掃で注意すべき点

  • 健康被害への対策:作業中の感染や事故を防ぐため、作業員は完全防備を行います。
  • 周辺環境への配慮:臭気や汚染物の廃棄が近隣住民に影響を及ぼさないようにすることが大切です。


特殊清掃は非常に専門的な作業であるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。安全かつ迅速な対応が可能な業者を選びましょう。

特殊清掃<業者の選び方と注意点>

特殊清掃を依頼する際には、信頼できる業者の選定が重要です。
特に以下の点に注意して確認すると、トラブルを未然に防ぐことができます。

契約書見積もりは適正か

まず、見積もりや契約内容が適正であるかどうかを確認することが大切です。
見積書には、「現場確認」「消毒」「汚染物質の除去」「臭気除去」などの具体的な作業項目が明示されているかを確認しましょう。
また、契約書には作業内容だけでなく、必要な追加作業が発生した場合の料金や条件も記載されているかをチェックします。
曖昧な記載や不足があると、後から予想外の費用が発生することもあるため、透明性のある契約書を交わすことが重要です。

料金や保証は明確か

料金体系が明確であることも、業者選びの大切なポイントです。
特殊清掃は作業の性質上、料金が高額になる場合もありますが、作業内容ごとに明確な料金設定がされているか、追加料金が発生する条件が事前に説明されているかを確認しましょう。
また、作業後の保証が付いている業者も多く、再発時の再清掃が保証されているかどうかもポイントです。
アフターサービスや保証内容の有無についても確認し、納得のいく料金体系と保証がある業者を選ぶと安心です。

リスク回避のための見守りサービスの導入

孤独死のリスクを軽減するためには見守りサービスの導入が重要ですが、導入するだけでは必ずしも安心とは言えません。
近年、「見守りサービスを導入していたにもかかわらず、発見が遅れたために特殊清掃が必要となった」というケースが報告されています。
このような事例からわかるのは、単にサービスを導入するだけではなく、異常発生時に迅速に対応できる体制が重要だということです。
弊社の見守りサービスである「HNハローライト」は、オペレーターによる対応と駆け付けが付帯しているため、異常の早期発見と迅速な対応が可能です。
これにより、万が一の際にも迅速な対応ができ、孤独死の発生を未然に防ぎやすくなっています。
物件オーナー様にとっても、見守りサービスの選び方がリスク回避の一助となるでしょう。


まとめ

賃貸物件における孤独死や事故死が発生すると、事故物件として扱われるリスクが高まり、空室期間が長期化するなどの不利益をもたらす可能性があります。
しかし、事前の対策と適切な対応を行うことで、リスクを軽減し、物件の安全性と入居者の安心を確保することが可能です。

まず、信頼できる特殊清掃業者を選ぶ際には、契約内容や料金体系が明確であることを確認しましょう。
また、見守りサービスの導入も、万一の際に迅速な対応を可能にするため、物件管理における有効な手段です。
こうした対策を講じることで、賃貸物件の資産価値を守り、入居者に安心して暮らしていただける環境を提供できます。




ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 Sugiyama.M

2024年に新卒で入社。

生活に欠かせないインフラとして住まいを支えるサービスの提供、

持続可能な社会の構築に寄与するという企業理念に惹かれ入社を決意。

憧れる先輩、上司に揉まれながら力戦奮闘してます。

 




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