1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 電話見守りは“古い”のか ~ICT時代における位置づけを再整理する~

電話見守りは“古い”のか ~ICT時代における位置づけを再整理する~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
電話見守りは“古い”のか ~ICT時代における位置づけを再整理する~

 


高齢者見守りの分野では、近年ICT技術を活用したさまざまな手法が登場しています。

センサーやカメラ、アプリなどによる見守りは導入事例も増えており、自治体の施策や検討テーマとしても一般化しつつあります。
そのような中で、「電話による見守り」はどのように位置づけるべきなのでしょうか。
「従来型の手法」という印象を持たれがちですが、実際の自治体運用では今も活用され続けています。

本記事では、電話見守りを“新旧”という比較ではなく、各手段の特徴を踏まえた上での役割整理という観点から位置づけを整理します。

 

 

目次

1. 見守り手法は「多様化」している

現在の高齢者見守りは、以下のように多様な手段が存在しています。

・訪問型(対面確認)
・地域ネットワーク型(民生委員・近隣)
・ICT型(センサー・カメラ・IoT)
・電話型(定期架電・相談)

高齢化の進展と単身世帯の増加により、見守り対象者は年々増加しており、従来の「訪問中心の体制」ではカバーしきれない状況が顕在化しています。

また総務省の調査でも、自治体では地域住民・関係機関・デジタルツールを組み合わせて見守りを実施していることが確認されています。

つまり現在の見守りは単一手法ではなく、複数手段の組み合わせが前提となっています。 

 

2. ICT見守りの強みと限界

ICT(センサー・IoT等)は、見守りの効率化において大きな役割を果たしています。

■ ICTの強み
・24時間365日の継続監視が可能
・人手を介さない異常検知
・夜間・不在時でも検知できる

例えばIoTセンサーは、一定時間動きがない場合に通知することで、本人が通報できない状況でも異変検知が可能です。

■ 一方での課題
しかし現場では、次のような指摘もあります。
・「動いているか」は分かるが、生活状態や体調、感情は分からない
・誤検知による対応負荷が発生する
・カメラ等は心理的抵抗がある

実際に、センサー型では「生存」は確認できても「生活の質」までは把握できないという課題が指摘されています。

また、カメラや監視系機器は高齢者本人が「見られている」と感じる心理的ハードルもあり、導入が進みにくいケースもあります。

つまりICTは異変検知には強いが、状況理解やコミュニケーションには限界がある手法です。


3. 電話見守りの特性(できること・できないこと)

ICT(センサー・IoT等)は、見守りの効率化において大きな役割を果たしています。

■ 電話見守りの特性

① 「会話」による状態把握
電話見守りの最大の特徴は、会話を通じて状況を把握できる点です。
・体調や気分
・食事・生活状況
・声のトーンや変化

センサーでは取得できない情報を得ることができます。
実際に、電話型見守りでは安否確認に加えて生活状況や健康状態を把握できるとされています。

② 「接点」としての機能
電話は単なる確認手段にとどまらず、社会的つながりを維持する接点として機能します。

研究では、電話による接触が孤独感や不安の軽減に寄与する可能性が示されています。
また、会話という行為自体が生活変化の兆候を早期に捉えるきっかけになるとも指摘されています。

③ 誰でも利用しやすい
電話見守りは
・機器設置が不要
・インターネット不要
・固定電話でも対応可能
といった特徴があり、デジタル機器に不慣れな高齢者でも利用しやすい手段です。

■ 一方での限界
電話見守りにも当然課題はあります。
・リアルタイムの常時監視はできない
・対応頻度は限定される
・対象者の応答に依存する

例えば、電話型では日中に異変が起きても次の連絡まで把握できない可能性があります。
つまり電話は「常時監視」ではなく「定点接触型」の見守り手法です。 


4. 電話見守りの最適な位置づけ

ここまで踏まえると、各手法は以下のように整理できます。

手法 強み 弱み
訪問 高精度・詳細把握 人手負荷大
ICT 常時監視・自動化 状況理解・把握が弱い
電話 会話・接点・運用性 常時性がない


重要なのは優劣を付けるのではなく役割の違いを理解し、最適な手法を選択することです。


5. 現実的な設計は「組み合わせ」

総務省の調査でも、今後は多様な主体による複層的な見守りの重要性が高まるとされています。

つまり現実的な設計は
・ICTで異変検知
・電話で状況確認・接点維持
・必要に応じて訪問
というような、組み合わせ前提の設計です。

電話見守りはその中で「接点を維持する中間層の手段」として機能します。


6. まとめ

電話見守りは「古い手法」ではなく、役割が異なる手段のひとつとして位置づける必要があります。

・ICTは異変検知に強い
・電話は状況把握と接点維持に強い
・訪問は詳細確認に強い

見守り施策に求められるのは、どれを選ぶかではなく、どう組み合わせるかです。

その中で電話見守りは、
・対象者に届きやすく
・運用設計がしやすく
・会話によって“見えない変化”を拾える
という特性を持っています。


見守り施策の設計においては、以下の観点での整理が重要です。
・対象者にとって受け入れやすいか
・運用負荷が持続可能か
・異変時の対応フローが明確か
・他施策と組み合わせやすいか

当社では、自治体向けに電話による見守り運用設計および有人対応による見守りサービスを提供しています。

既存施策(訪問・ICT等)との組み合わせ設計や、対象者層に応じた最適な見守り構成の整理について、事例を交えアドバイスが可能です。
また、既存施策の見直しや、新規施策としての検討に際し、仕様書案の作成などもご相談に応じておりますので、ご関心のある自治体様は、お気軽にご確認ください。




ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 田中 翔

不動産の売買営業と賃貸営業の経験を経て、ホームネット株式会社へ入社。
ホームネット株式会社では、
コールセンターサービスを中心に、高齢者様向けのサービス提供に従事し、
「住まい」を軸に、暮らしの安全・安心を支える生活支援サービスを提供しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INQUIRY

お問い合わせ

緊急通報サービス

位置情報提供サービス(GPS)

健康診断予約代行サービス

見守りサービス

コールセンターサービス

定期巡回・随時対応サービス
(スマケア)

家財整理サービス

そのほかに関するお問い合わせ

ページTOP