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「安全」と同じくらい重要な“心のコンディション” ~製造業でメンタル不調が表面化しにくい理由と、企業が取りたい備え~

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「安全」と同じくらい重要な“心のコンディション” ~製造業でメンタル不調が表面化しにくい理由と、企業が取りたい備え~

 

製造業では、安全衛生・品質・納期を守るために、現場のルールや仕組みが丁寧に整えられている企業が多い一方で、**メンタルヘルス不調は“見えにくいまま進行しやすい”**という課題が残りやすい領域でもあります。

身体の痛みや疲労は表に出やすい一方、ストレスや不安、睡眠の乱れといった心身の変化は本人も言い出しにくく、気づいたときには休職や離職につながってしまう。
こうした流れは、製造現場でも例外ではありません。

この記事では、公的データを基に製造業におけるメンタル不調が表面化しにくい理由と、企業が取りたい備えについて整理したいと思います。
 

公的データが示す「製造業のメンタル不調は珍しくない」

厚生労働省の「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、過去1年間に**メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業または退職した労働者がいた事業所の割合(全体)は12.8%**とされています。
同調査の産業別データ(まとめ資料)では、製造業は14.4%(休業または退職がいた事業所割合)と示されています。
また、厚生労働省が公表した「令和6年度『過労死等の労災補償状況』」では、精神障害(業務災害)に関して、業種別(大分類)の請求件数が**「製造業」583件**、支給決定件数が161件と報告されています。
これらの数字は、「製造業のメンタル不調は“ごく一部の例外”ではなく、どの企業でも起こり得るリスクとして向き合う必要がある」ことを示す材料になります。

 

製造業の盲点:「不調が”業務の一部”に見えてしまう」

製造現場では、疲労・集中力低下・イライラ・不眠などが起きても、本人も周囲も「繁忙期だから」「段取りが大変だから」と、業務負荷の一部として処理してしまいがちです。
ところが、調査ではストレス要因の上位として**「仕事の量」43.2%、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」36.2%**が挙げられています。
つまり、“仕事の量”や“責任”がストレスの中心になりやすい状況では、現場が忙しいほど不調の芽が見えにくくなる構造が生まれます。

さらに、同調査の紹介では、強いストレスを感じたときの相談先は「家族・友人」「上司」が多い一方で、産業医や公認心理師など外部リソースの活用は多くない傾向が示されています。
相談が遅れるほど、休職・離職のように“結果として表面化する”形になりやすく、現場の人員配置や技能継承にも影響が出やすくなります。

 

放置すると「安全・品質・定着」に連鎖しやすい

製造業のメンタル不調は、本人のつらさだけでなく、企業側のリスクにも直結します。特に製造現場では、集中力や判断力が落ちた状態が続くと、ヒヤリハットや品質トラブル、教育・指導の負担増など、現場全体のパフォーマンス低下に波及しやすいのが特徴です。
加えて、精神障害の労災認定(支給決定)が令和6年度に1,055件とされている点からも、メンタル不調が「労務・法務・安全配慮」の観点で無視できないテーマになっていることが分かります。

製造業は支給決定件数でも上位に位置づけられており、“現場の努力だけで何とかする”のではなく、企業として予防の仕組みを持つことが現実的です。

 

ストレスチェック「実施」だけでは足りない場面も

厚生労働省の調査(まとめ資料)では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は**63.2%**とされ、取組内容として「ストレスチェックの実施」が多いことが示されています。
一方で、制度は“ある”が、現場で“使いきれていない”という課題が起こりやすいのも事実です。

例えば、ストレスチェックを実施しても、現場では「結果の活用が難しい」「改善につながる打ち手が分からない」といった声が出やすく、結果として“年1回の行事”で終わってしまうケースがあります。

重要なのは、**データを取ること自体ではなく、結果をどう使うか(職場改善にどうつなぐか)**を先に決めておくことです。

 

製造業で整えやすい「現実的な備え」(考え方)

ここからは、現場負担を増やしにくく、運用しやすい方向性を“考え方”として整理します(※以下は提案・一般的整理です)。


(1) ”ピーク前提”で負荷を見える化する

ストレス要因の上位が「仕事の量」「責任」である以上、繁忙をゼロにするよりも、繁忙期に壊れない設計が現実的です。

たとえば、繁忙期だけでも応援体制・休憩確保・引き継ぎ基準を明確にするなど、運用ルールを先に持つことが、現場の判断ストレスを減らす助けになります。

(2) 相談導線を”複線化”して、早い段階で受け止める

相談先が身近な相手に偏りやすい傾向があるなら、相談の入口を複数用意することが重要です。

上司・同僚への相談に加え、外部の専門家に匿名で相談できる窓口があると、「まだ休むほどではないが、しんどい」という段階で受け止めやすくなります。
 

(3) メンタルを「安全・品質」の文脈で扱う

製造業では、心身のコンディションが安全や品質に影響し得るため、メンタルヘルスを“個人の問題”ではなく、現場の安定稼働のためのリスク対策として位置づけると、社内で共有しやすくなります。
 

まとめ:製造業のメンタル対策は「守り」ではなく、現場を安定させる”予防投資”

製造業では、メンタル不調により休業・退職が起きた事業所割合が**14.4%**と示されており、決して珍しい話ではありません。

また、精神障害の労災補償状況でも、製造業は請求・支給決定ともに上位に位置しており、企業としての備えが重要になっています。

「不調が起きないようにする」だけでは限界があるからこそ、
(1)負荷の見える化(2)相談導線の複線化(3)安全・品質と一体で考える
という形で、無理なく回る仕組みを整えていくことが、現場の安定稼働・定着・品質維持につながりやすくなります。


弊社では、正看護師・公認心理師が対応する【健康メンタル相談サービス】を提供しております。
自社従業員様に向けた支援体制の整備、メンタルケアや早期発見の施策のひとつとしてご提案が可能です。
お困りごとやお悩みがございましたらまずはお気軽にご相談ください。


【出典・参考資料】

厚生労働省「令和6年『労働安全衛生調査(実態調査)』の概況」
令和6年労働安全衛生調査
厚生労働省「令和6年度『過労死等の労災補償状況』」
「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」解説記事


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著者情報

ホームネット株式会社 田中 翔

不動産の売買営業と賃貸営業の経験を経て、ホームネット株式会社へ入社。
ホームネット株式会社では、
コールセンターサービスを中心に、高齢者様向けのサービス提供に従事し、
「住まい」を軸に、暮らしの安全・安心を支える生活支援サービスを提供しています。


 

 

 

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