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安全と直結する心の健康 ~建設・運輸・物流業界で見過ごされがちなメンタルヘルス課題~

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安全と直結する心の健康 ~建設・運輸・物流業界で見過ごされがちなメンタルヘルス課題~

 

「事故・品質・離職」を防ぐために、企業が”先に”整えたい備え

建設・運輸・物流の現場は、日々の業務が「安全」と直結しやすい業界です。
体調不良や集中力の低下が、そのままヒヤリハットや事故、重大なミスにつながり得るため、身体面の安全対策は比較的整備されている企業も多いと思います。

一方で、心の不調(強いストレス、睡眠不良、気分の落ち込み等)は外から見えにくく、本人も「言い出しづらい」まま抱え込みやすい――この“見えにくさ”が、現場のリスクを静かに高めることがあります。

この記事では、従業員の心の健康が安全に直結するといっても過言ではない建設・運輸・物流業界にフォーカスし、課題と対策についてまとめてみました。
 

1. 統計が示す「過重負荷」の現実:運輸・建設は脳・心臓疾患の請求件数が多い

厚生労働省が公表した令和6年度の「過労死等の労災補償状況」では、業務災害に係る脳・心臓疾患の請求件数(全国)は1,030件で、業種別(大分類)の請求件数上位として「運輸業、郵便業」213件、「卸売業、小売業」150件、「建設業」128件が示されています。

同資料では、脳・心臓疾患の支給決定件数(全国)は241件で、業種別の支給決定件数上位として「運輸業、郵便業」88件が挙げられています。

ここから読み取れるのは、現場の負荷が「安全・健康」の問題として統計に表れているという事実です。
メンタルヘルス対策は“福利厚生”の枠だけでなく、リスクマネジメントや労務コンプライアンスの観点でも重要になりつつあります。

 

2. 2024年4月からの上限規制適用:現場は「やり方の再設計」が必須に

働き方の面でも、建設・運送(自動車運転の業務)は大きな転換点を迎えています。

厚生労働省は、「工作物の建設の事業」「自動車運転の業務」等について、時間外労働の上限規制の適用が5年間猶予されていたが、令和6(2024)年4月から適用されていることを明記しています。

同ページでは、例えば建設業(災害復旧・復興の例外を除く)には原則どおりの上限規制が適用されること、自動車運転の業務には特例(年間の上限など)があることが示されています。


つまり、業界として「長時間労働に頼らない体制」へ移行していくことが前提となり、その移行期に現場負担が偏ると、ストレスや疲労が増えやすくなります。

 

3. ”見えない負担”が増えるポイント:仕事量・責任・対人ストレス

メンタル不調のきっかけは、特別な出来事だけではありません。

厚生労働省の労働安全衛生調査(実態調査)の紹介では、強いストレスの要因として「仕事の量」が挙げられています。
建設・運輸・物流では、工程の遅れや天候、突発対応、繁閑差などにより「仕事量」が急に増えやすい局面があります。
さらに、現場の指揮命令や安全配慮、顧客・荷主対応など責任が重なると、心理的負荷が積み上がりやすくなります。

加えて、同じ「過労死等の労災補償状況」では、精神障害の出来事別の支給決定件数として、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」108件が挙げられています。
物流・建設の現場でも、取引先や顧客との調整・クレーム・圧力が発生する場面はあり得るため、“対人ストレス”がリスク要因になり得る点は見逃せません。

 

4. 相談が遅れやすい業界構造:だから「早期の受け皿」が効く

建設・運輸・物流の現場では、次のような理由で相談が遅れがちです。

・現場が分散し、上司や人事と日常的に会話しにくい
・忙しい時期ほど「相談する余裕がない」
・「弱音を吐きにくい」「周囲に迷惑をかけたくない」と感じやすい
・夜間・早朝勤務などで、相談できる時間帯が限られやすい

こうした条件が重なると、不調が深刻化してから休職・離職という形で初めて顕在化することがあります。
逆に言えば、“深刻化する前に相談できる受け皿”があるだけでも、現場の安心感や早期対応につながりやすくなります。

 

5. 企業として整えやすい「現実的な備え」(考え)

ここでは、特定の施策を押し付けるのではなく、現場負担を増やしにくい“設計のポイント”として整理します。

ピーク前提で「負荷の分散」を設計する

上限規制が適用される中では、繁忙をゼロにするのではなく、繁忙期に負荷が一部に集中しない設計が重要です。
たとえば、突発対応の当番制、工程遅延時の代替手順、休息確保の運用など、運用ルールを“先に”決めておくことで、現場の判断ストレスを減らせます。

「相談の導線」を複線化する(時間帯・匿名性を含む)

現場の勤務形態に合わせ、夜間・早朝でも使える、匿名で相談しやすい窓口など、一般的ですが、複線の導線を持つと“最初の一歩”が踏み出しやすくなります。

メンタルを「安全・品質」の文脈で扱う

建設・運輸・物流では、心身のコンディションが事故・品質に影響し得るため、メンタルヘルスを「個人の問題」ではなく、安全管理や現場品質の一部として位置づけると、社内の理解が進みやすくなります。
 

6. まとめ:企業のメンタル対策は「安全」と同じ”予防投資”

運輸・建設は、脳・心臓疾患に係る請求件数で上位に挙がっており、統計上も過重負荷が課題になりやすい業界です。
さらに、2024年4月からの上限規制適用により、現場は「体制の組み替え」が求められています。

だからこそ、メンタルヘルス対策は“余裕ができたら”ではなく、安全・品質・定着を守るための予防投資として、早めに仕組み化しておくことが有効になり得ます。

弊社では、外部相談窓口として、正看護師や公認心理師による健康医療・メンタル相談サービスを提供しておりますので、従業員様に向けた支援サービスの一案として、ご案内が可能です。

既に類似施策を導入しているが利用頻度が少なく費用対効果が合っていないのではないか、
健康経営施策として見直しを考えたい、今後新規導入の検討を視野に入れているなど、何かございましたらまずはお気軽にご相談ください。


【出典・参考資料】

厚生労働省「令和6年度『過労死等の労災補償状況』」
厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」
厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」


弊社サービスについて詳しくは、下記ページをご確認ください。
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ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 田中 翔

不動産の売買営業と賃貸営業の経験を経て、ホームネット株式会社へ入社。
ホームネット株式会社では、
コールセンターサービスを中心に、高齢者様向けのサービス提供に従事し、
「住まい」を軸に、暮らしの安全・安心を支える生活支援サービスを提供しています。

 

 

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