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約4割の事業所で不調者発生 ーIT業界に潜む“見えないメンタルリスク”ー

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約4割の事業所で不調者発生 ーIT業界に潜む“見えないメンタルリスク”ー

 

データで押さえる現状と、企業が整えておきたい備え

IT業界は、テレワークの普及や柔軟な働き方が進む一方で、メンタルヘルス不調が表面化しにくいという課題も抱えやすい領域です。

納期や障害対応などで繁閑差が大きくなりやすいこと、専門性が高く「代替が効きにくい」職種が多いことなどが、現場の負荷を見えにくくしてしまう場面があり、実際に公表されている調査結果を見ると、IT業界(情報通信業)はメンタル不調に関する指標が高い傾向にあります。

この記事では、そんなIT業界に注目し、現状の理解と今後備えておくべきポイントについてまとめてみました。
 

1. 「情報通信業」は休業・退職が発生した事業所割合が高い

厚生労働省が公表した「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」の結果として、メンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業または退職した労働者がいた事業所の割合は全体で12.8%とされています。

そのうえで産業別に見ると、情報通信業は「事業所39.2%」と比較的高いことが示されています(同記事では個人ベースでも「1.7%」と記載)。

この数字は、「IT業界では不調が起きやすい」と短絡的に結論づけるためのものではありません。
ただ、少なくとも“どの会社でも起こり得る”ではなく、“起こりやすい条件が重なりやすい”という前提で、備えを考える材料にはなります。

 

2. リスクが”見えない”まま進行しやすい理由

メンタル不調が深刻化する前に気づきにくい背景として、次のような構造が重なりがちです。

ストレス要因が「仕事量」に寄りやすい

同調査の紹介では、強いストレスを感じる労働者の割合は68.3%で、原因の上位は「仕事の量」(43.2%)、「仕事の失敗、責任の発生等」(36.2%)、「仕事の質」(26.4%)とされています。
ITの現場では、案件の佳境やトラブル対応が重なると「仕事量」「責任」が急に跳ね上がりやすく、ストレス要因が集まりやすいのが特徴です。

相談行動が「身近な人」に偏り、専門家につながりにくい

同じ紹介記事では、強いストレスの相談先は「家族・友人」「上司」が多い一方で、産業医や公認心理師など外部リソースへの相談は最大でも5.3%以下に留まるとされています。
言い換えると、“つらさがあるのに専門家につながらない”状態が起こりやすく、結果として休業・退職に至って初めて周囲が気づく、という流れになりやすい点がポイントです。

 

3. 「制度はあるのに、活かしきれない」問題も

企業側も手をこまねいているわけではなく、同調査の紹介では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.2%、労働者50人以上規模では94.3%とされています。
一方で、制度を「運用している」ことと、「現場の改善につながる」ことは別問題になりがちです。

例えば、ストレスチェック制度について、日本生産性本部の調査では課題として「集団分析結果の活かし方」(65.3%)が最多とされています。
IT業界のように、プロジェクト単位・チーム単位で働き方が大きく変わる職場では、集団分析の結果をどう現場改善につなげるかが、より難しく感じられることも少なくありません。

 

4. 放置すると「労災」「休職」など経営リスクに波及する可能性

メンタル不調が進行した場合、個人の問題に留まらず、企業側のリスク(欠員、採用・育成コスト、品質・納期、マネジメント負荷)へ波及します。

厚生労働省の「令和6年度『過労死等の労災補償状況』」では、業務災害に係る精神障害の請求件数は3,780件、支給決定件数は1,055件とされています。
また支給決定件数の「出来事」別では、パワーハラスメント(224件)仕事内容・仕事量の大きな変化(119件)、**顧客等から著しい迷惑行為(108件)**が上位として示されています。

IT業界は顧客折衝や納期プレッシャー、体制変更が重なる局面も多く、こうした出来事が“起こり得る”環境である点は意識しておきたいところです。

 

5. IT企業が「現実的に」整えやすい備え(考え)

ここからは、特定の制度や手法を押し付けるのではなく、**現場負担を増やしにくい“考え方”**として整理します(※以下は提案・一般的整理です)。

「仕事量」を可視化し、繁忙の波を前提に設計する

ストレス要因の上位が「仕事量」である以上、ピークをゼロにするより、ピーク時に壊れない設計が現実的です。

たとえば、ピーク期だけでもレビュー負荷を軽くする、当番制で障害対応を分散する、リリース前後の稼働を見える化する、といった“小さな設計変更”が積み上がると、継続性が高まります。

「相談の導線」を複線化する(上司だけに寄せない)

相談が「上司」や「身近な人」に偏り、専門家に届きにくい傾向があるなら、最初の一歩が踏み出しやすい導線を複数持つことが大切です。

社内の1on1やメンターだけでなく、必要に応じて外部の相談先も含めて「選べる状態」にしておくと、相談の心理的ハードルが下がります。

ストレスチェックは「結果を出す」より「使い道を決める」

「集団分析の活かし方」が課題になりやすい以上、まずは活用範囲を絞ってでも、“何に使うか”を先に決める方が進みやすいことがあります。

たとえば、残業や休暇取得、業務配分など、調査でも活用例として挙げられやすい領域に限定して改善を回し始めると、現場の納得感が得やすくなります。

 

6. まとめ:IT企業のリスクは「起きる/起きない」ではなく「見えにくい」

情報通信業では、メンタル不調による休業・退職が発生した事業所割合が高いというデータが示されています。
そして、強いストレスの主因が仕事量に寄りやすいこと、専門家相談につながりにくいことも示唆されています。

だからこそ、IT企業のメンタルヘルス対策は「制度を整える」だけでなく、
(1)仕事量の波を前提にした設計
(2)相談導線の複線化
(3)結果を“使う”運用
という、現場で回りやすい形に落とし込めるかが鍵になりそうです。

弊社では、外部相談窓口として、正看護師や公認心理師による健康医療・メンタル相談サービスを提供しておりますので、従業員様に向けた支援サービスの一案として、ご案内が可能です。

既に類似施策を導入しているが利用頻度が少なく費用対効果が合っていないのではないか、
健康経営施策として見直しを考えたい、
今後新規導入の検討を視野に入れているなど、何かございましたらまずはお気軽にご相談ください。



【出典・参考資料】

厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)結果」紹介記事
厚生労働省「令和6年度『過労死等の労災補償状況』」
公益財団法人 日本生産性本部「第12回 メンタルヘルスの取り組みに関する企業アンケート調査」


弊社サービスについて詳しくは、下記ページをご確認ください。
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ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 田中 翔

不動産の売買営業と賃貸営業の経験を経て、ホームネット株式会社へ入社。
ホームネット株式会社では、
コールセンターサービスを中心に、高齢者様向けのサービス提供に従事し、
「住まい」を軸に、暮らしの安全・安心を支える生活支援サービスを提供しています。

 

 

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