1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 見守り施策は“多層化”の時代へ ~訪問・地域・ICT・電話、それぞれの役割をどう考えるか~

見守り施策は“多層化”の時代へ ~訪問・地域・ICT・電話、それぞれの役割をどう考えるか~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
見守り施策は“多層化”の時代へ ~訪問・地域・ICT・電話、それぞれの役割をどう考えるか~

 


前回の記事では、高齢者見守りが改めて自治体課題となっている背景として、高齢者人口の増加や単身世帯の拡大、担い手不足といった構造的な変化を整理しました。

こうした状況の中で、現在の見守り施策において重要になっているのが、「どの手段を選ぶか」ではなく、「どう組み合わせるか」という視点です。
実際に自治体の見守り施策は、訪問・地域・ICT・電話など複数の手段が併用されるケースが増えており、それぞれの特性を理解しながら設計することが求められています。

本記事では、代表的な見守り手法を整理し、それぞれの役割と限界を踏まえた上で、自治体に求められる「多層的な見守り設計」について考えていきます。

 

 

目次

1. 見守り対象は今後も増え続ける

まず前提として、現在の高齢者見守りは、単一手段では対応しきれない領域に入っています。
その理由は大きく3つあります。

①対象者が多様化している
一人暮らし高齢者の増加のより、
・外出が少ない方
・人との接点が少ない方
・デジタル機器が使える方/使えない方
など、状態や生活スタイルの幅が広がっています。

総務省の調査でも、一人暮らし高齢者は今後も増加し続けるとされており、一律の手法では対応できない実態が明らかになっています。


②見守りニーズが「安否確認」だけではない
見守りは
・生存確認
・異変検知
だけでなく、
・孤独・孤立の予防
・生活不安の把握
・相談のきっかけづくり
といった要素が求められています。

③担い手不足により「密度」を担保できない
担い手不足の中で、すべての対象者に「訪問中心の丁寧な見守り」を提供することは現実的に難しくなっています。
そのため、濃い見守りと軽い見守りを組み合わせる設計が不可欠となっています。 

 

2. 見守り手法の代表パターンと特徴

ここでは、代表的な見守り方法を4つに整理します。

①訪問型(対面見守り)
【特徴】
・直接訪問し、対面で状態を確認
・最も情報量が多く、異変の把握精度が高い
【強み】
・表情、生活環境なども含めた総合的判断が可能
・信頼関係の構築に繋がりやすい
【課題】
・人手と時間が必要
・全対象者に頻回実施は困難

位置づけ:「重点対象者向けの高密度見守り」

②地域ネットワーク型(民生委員・近隣住民など)
【特徴】
・地域の人や関係者による緩やかな見守り
・日常生活の中で異変に気づく仕組み
【強み】
・常時に近い自然な見守りが可能
・地域コミュニティ形成にも寄与
【課題】
・担い手の確保が難しい
・個人の負担に依存しやすい

総務省の調査でも、地域主体の見守りは重要である一方、それだけでは持続が困難なケースが多いとされています。

位置づけ:「日常的な気づきを拾う広域見守り」

③ICT・機器型(センサー・アプリなど)
【特徴】
・センサーや端末による自動検知
・異常時に通知
【強み】
・人手を介さず継続的に監視できる
・夜間や不在時の見守りにも有効
【課題】
・機器利用が難しい高齢者も存在
・異常検知後は人による対応が必要

位置づけ:「異常検知に強い自動監視型」

④電話型(定期架電・相談窓口)
【特徴】
・定期的な電話接点による見守り
・会話を通じた状態把握
【強み】
・機器不要で導入しやすい
・会話により不安や変化を把握できる
・対応の均一化、運用設計がしやすい
【課題】
・対面ほどの情報量は得られい
・継続的な運用体制が必要

位置づけ:「中間層向けの安定運用型+接点確保」


3. 見守り施策に求められる「多層構造」

これらを踏まえると、見守りは以下のように整理できます。

■高密度層(重点対象者)
・訪問
・医療、介護連携
→深い関与で状態把握

■中間層(見守りが必要だが自立度あり)
・電話見守り
・定期的接点
→持続的な変化把握

■広域層(一般高齢者)
・地域見守り
・ICT
→異変の初期検知

このように、「対象者に応じて見守り密度を変える設計」が重要です。

 


4. 電話見守りの位置づけが見直されている理由

近年の傾向として、電話見守りの再評価が進んでいます。

その理由は以下の通りです。

①誰でも利用できる「入口」になりやすい
固定電話・携帯電話で利用でき、デジタル機器に不慣れな層にも届きやすい

②運用設計がしやすい
・架電頻度
・不在時対応
・緊急連絡先
などをルール化しやすい

③安否+αの情報が得られる
会話を通じて
・体調の変化
・不安感
・生活の困りごと
などが把握できる

つまり電話見守りは、訪問とICTの”間”を埋める役割として位置づけしやすい手法です。


5. まとめ

高齢者見守りは、次の段階に入っています。
・単一手法では対応しきれない
・対象者ごとの最適設計が必要
・担い手不足の中で効率化が求められる

その中で重要なのは、「何を導入するか」ではなく「どう組み合わせるか」です。

訪問・地域・ICT・電話それぞれの役割を整理しながら、自治体の実情に合わせた多層的な見守り設計が求められています。


見守り施策の検討にあたっては、以下の視点での整理が重要です。
・対象者の特性に合っているか
・運用負荷が現実的か
・異変時対応が明確か
・既存施策と組み合わせられるか

当社では、自治体向けに電話による見守り運用の設計支援および実務運用を提供しています。

既存施策との併用や、対象者層ごとの見守り設計など、弊社事例を基にアドバンスや導入支援を実施させていただきます。
対象者とそのご家族が安心して過ごせるような支援ができればと考えていますので、ご関心があればぜひお気軽にご相談ください。

 






【出典】
・総務省 「一人暮らし高齢者に対する見守り活動に関する調査」
・総務省 「見守り活動調査」


ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 田中 翔

不動産の売買営業と賃貸営業の経験を経て、ホームネット株式会社へ入社。
ホームネット株式会社では、
コールセンターサービスを中心に、高齢者様向けのサービス提供に従事し、
「住まい」を軸に、暮らしの安全・安心を支える生活支援サービスを提供しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INQUIRY

お問い合わせ

緊急通報サービス

位置情報提供サービス(GPS)

健康診断予約代行サービス

見守りサービス

コールセンターサービス

定期巡回・随時対応サービス
(スマケア)

家財整理サービス

そのほかに関するお問い合わせ

ページTOP