
死後事務委任契約とは?万が一に備えた終活
超高齢社会や単身世帯の増加に伴い、賃貸物件での孤独死が現実的な課題となっています。
特に賃貸物件を所有・管理する貸主や管理会社にとって、孤独死が発生した際の対応や費用負担は避けて通れない課題です。
本コラムでは、孤独死発生時の対応や孤独死リスクの軽減策を解説します。
孤独死が疑われる場合、発見者(管理人・近隣住民など)は速やかに警察に通報します。
孤独死は「異状死」として扱われることが多く、警察が現場検証(検視)を行います。
不審点がなければ、遺体を遺族または自治体に引き渡します。
遺族や身元確認のために、遺体は一時的に警察の指定する施設や火葬場へ搬送されます。
身元確認が困難な場合は、指紋やDNA、所持品で調査が進められます。
検案結果をもとに、医師や監察医が死亡診断書または死体検案書を発行します。
警察や自治体が故人の身元を確認し、家族や相続人の連絡先を調査します。
相続人が判明しない場合、家庭裁判所で「相続財産管理人」が選任されます。
相続人がいれば、遺品整理や住居の処分を行います。
相続人がいない場合、管理人や自治体が専門業者を手配して対応します(費用は故人の財産から精算)。
遺族がいない場合、無縁仏などの火葬・埋葬を自治体が行う法律(行旅病人及行旅死亡人取扱法施行規則)に基づき、自治体が火葬・埋葬を手配します。
行旅病人…歩行することができない行旅中の病人で療養先が見つからず、救護者のいない者
行旅死亡人…身元が判明しない死亡者や遺族が見つからない死亡者
相続人がいない場合、最終的に財産は国庫(国家の財産)に帰属します。なお、債務に関しては国庫が引き継ぎません。
そのため、相続人がいない場合はその債務を引き継ぐ人がおらず、返済が行われないケースもあります。
検視
不自然死(事故死や他殺の可能性など)の場合、死因や犯罪性の有無を調査するために警察官が行います。
<特徴>
・主に現場での外部検査。
・行政的・司法的な視点で実施。
検案
死亡の事実や原因を医学的に確認し、死亡診断書または死体検案書を作成するために医師や監察医が行います。
<特徴>
・死亡状況や身体の状態を医学的に判断。
・通常の病死や自然死でも行われるが、不自然死の場合は警察との連携が求められる。
どちらも市区町村に死亡届を提出し、火葬許可書を取得する際に必要な書類です。
死亡診断書
死亡診断書は、医師が患者の死亡を直接確認した場合に作成される書類で、自然死(病気や老衰など)など、死亡原因が特定できている場合に発行されます。
<具体例>
病院で治療中の患者が亡くなり、主治医が死亡原因を明確に特定した場合。
死体検案書
死体検案書は、自然死とは断定できない場合や医師が直接死亡に立ち会っていない場合に作成される書類で、突然死や事故死、孤独死などの場合に、検視や死因調査を経て発行されます。
事件性や犯罪の疑いがある場合、警察による検視が優先されるため、医師が死体検案書を発行するのはその後になります。
<具体例>
アパートで孤独死が発見され、医師が死亡現場を確認し死因を推定した場合。
相続人がいない場合や不明な場合に、故人の財産を管理・処理するために家庭裁判所が選任する人です。
主な役割は、故人の財産を適切に管理し、債権者や利害関係者の利益を守ることです。
孤独死が発生し、故人に相続人がいない場合、場合によっては貸主の費用負担が発生することもあります。
孤独死の状況や物件の状態によって異なりますが、目安として数十万円から数百万円程度の費用が発生することがあります。特に、原状回復費用や空室損失が大きな負担になるケースが多いです。
一般的には次のような費用がかかります。
孤独死リスク軽減のための対策として、見守りサービスを導入する貸主が増えています。
見守りサービスは、孤独死や事故による事故物件化を未然に防ぐための効果的な対策です。
特に一人暮らしの高齢者や健康状態が気になる方が住む物件において、見守りサービスは次のようなメリットをもたらします。
電気の点灯や消灯を通信で知らせることができるIoT電球を活用した、手軽に導入できる見守りサービスです。
見守りサービスを導入していても、通知が届いても放置されてしまうこともあるかもしれません。
ホームネットでは通知を送るだけにとどまらず、ご自宅まで訪問して安否確認をするプランもあります。
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