1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 賃貸物件で相続人不在の孤独死が発生したら?貸主の対応とリスク軽減策

賃貸物件で相続人不在の孤独死が発生したら?貸主の対応とリスク軽減策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
賃貸物件で相続人不在の孤独死が発生したら?貸主の対応とリスク軽減策

超高齢社会や単身世帯の増加に伴い、賃貸物件での孤独死が現実的な課題となっています。
特に賃貸物件を所有・管理する貸主や管理会社にとって、孤独死が発生した際の対応や費用負担は避けて通れない課題です。
本コラムでは、孤独死発生時の対応や孤独死リスクの軽減策を解説します。

孤独死発生時の一般的な手続きの流れ

1.発見と警察の関与

孤独死が疑われる場合、発見者(管理人・近隣住民など)は速やかに警察に通報します。
孤独死は「異状死」として扱われることが多く、警察が現場検証(検視)を行います。
不審点がなければ、遺体を遺族または自治体に引き渡します。

2.遺体の搬送と安置

遺族や身元確認のために、遺体は一時的に警察の指定する施設や火葬場へ搬送されます。
身元確認が困難な場合は、指紋やDNA、所持品で調査が進められます。

3.死亡診断書または死体検案書の発行

検案結果をもとに、医師や監察医が死亡診断書または死体検案書を発行します。

4.相続人の有無の確認

警察や自治体が故人の身元を確認し、家族や相続人の連絡先を調査します。
相続人が判明しない場合、家庭裁判所で「相続財産管理人」が選任されます。

5.遺品整理や住居の原状回復

相続人がいれば、遺品整理や住居の処分を行います。
相続人がいない場合、管理人や自治体が専門業者を手配して対応します(費用は故人の財産から精算)。

6.火葬・埋葬

遺族がいない場合、無縁仏などの火葬・埋葬を自治体が行う法律(行旅病人及行旅死亡人取扱法施行規則)に基づき、自治体が火葬・埋葬を手配します。
 行旅病人…歩行することができない行旅中の病人で療養先が見つからず、救護者のいない者
 行旅死亡人…身元が判明しない死亡者や遺族が見つからない死亡者

7. 故人の財産処理

相続人がいない場合、最終的に財産は国庫(国家の財産)に帰属します。なお、債務に関しては国庫が引き継ぎません。
そのため、相続人がいない場合はその債務を引き継ぐ人がおらず、返済が行われないケースもあります。


検視と検案の違い

検視
不自然死(事故死や他殺の可能性など)の場合、死因や犯罪性の有無を調査するために警察官が行います。
<特徴>
・主に現場での外部検査。
・行政的・司法的な視点で実施。

検案
死亡の事実や原因を医学的に確認し、死亡診断書または死体検案書を作成するために医師や監察医が行います。
<特徴>
・死亡状況や身体の状態を医学的に判断。
・通常の病死や自然死でも行われるが、不自然死の場合は警察との連携が求められる。


死亡診断書と死体検案書の違い

どちらも市区町村に死亡届を提出し、火葬許可書を取得する際に必要な書類です。

死亡診断書
死亡診断書は、医師が患者の死亡を直接確認した場合に作成される書類で、自然死(病気や老衰など)など、死亡原因が特定できている場合に発行されます。
<具体例>
病院で治療中の患者が亡くなり、主治医が死亡原因を明確に特定した場合。

死体検案書
死体検案書は、自然死とは断定できない場合や医師が直接死亡に立ち会っていない場合に作成される書類で、突然死や事故死、孤独死などの場合に、検視や死因調査を経て発行されます。
事件性や犯罪の疑いがある場合、警察による検視が優先されるため、医師が死体検案書を発行するのはその後になります。
<具体例>
アパートで孤独死が発見され、医師が死亡現場を確認し死因を推定した場合。


「相続財産管理人」とは

相続人がいない場合や不明な場合に、故人の財産を管理・処理するために家庭裁判所が選任する人です。
主な役割は、故人の財産を適切に管理し、債権者や利害関係者の利益を守ることです。

  • 財産の調査と保全…故人が所有していた財産(不動産、預貯金、動産など)を調査し、保全措置を講じます。
  • 債権者や利害関係者への対応…債権者や故人と関係のある人々に通知を行い、財産分配に必要な調整をします。
  • 債務の弁済…故人が残した借金や未払いの費用を財産から支払い、債務を整理します。
  • 残余財産の国庫への帰属…相続人がいない場合、最終的に財産を国庫に帰属させます。
  • 裁判所への報告…活動内容や財産の管理状況を定期的に裁判所に報告します。


孤独死発生後の費用負担

孤独死が発生し、故人に相続人がいない場合、場合によっては貸主の費用負担が発生することもあります。

費用負担について

孤独死の状況や物件の状態によって異なりますが、目安として数十万円から数百万円程度の費用が発生することがあります。特に、原状回復費用や空室損失が大きな負担になるケースが多いです。
一般的には次のような費用がかかります。

  • 特殊清掃、原状回復費用
 遺産がある場合は故人の遺産から清算され、遺産がない場合は基本的に貸主が負担します。
  • 遺品整理費用
 遺産がある場合は相続財産管理人が遺産から支払いますが、遺産がない場合は原則として貸主が負担します。
 ただし、故人に財産がなく、自治体の規定に基づく場合、市区町村が遺品整理を代行するケースもあります。
  • 家賃滞納分
 遺産がある場合は遺産から回収できますが、遺産がない場合は貸主が損失を被る可能性があります。
 ただし、家賃保証会社を利用している場合は、保証会社から補填される場合があります。
  • 賃貸物件の空室損失
 空室損失は貸主の負担になります。事故物件となると入居者が見つかるまで時間がかかるため、
 一定期間の家賃収入が得られなくなる可能性があります。

費用軽減のための対策

  • 孤独死保険(家主向け保険)の加入
 特殊清掃や原状回復費用、空室損失の補償が可能な保険があります。
  • 賃貸契約時の保証人確認
 賃貸契約の際に保証人や保証会社を利用し、家賃滞納やトラブル時のリスクを軽減します。
  • 定期的な見回り
 管理物件の定期点検や、孤独死のリスクが高い高齢者の見守りサービスを利用することで早期発見を図ります。



孤独死リスク軽減のために

孤独死リスク軽減のための対策として、見守りサービスを導入する貸主が増えています。

見守りサービスとは

見守りサービスは、孤独死や事故による事故物件化を未然に防ぐための効果的な対策です。
特に一人暮らしの高齢者や健康状態が気になる方が住む物件において、見守りサービスは次のようなメリットをもたらします。

  • 日々のモニタリングから早期対応で事故を防止
  • 「誰かが見守ってくれている」という入居者の安心感向上
  • 事故物件化を防ぎ、物件価値の維持・向上

 

ホームネットの【HNハローライト】とは

電気の点灯や消灯を通信で知らせることができるIoT電球を活用した、手軽に導入できる見守りサービスです。
見守りサービスを導入していても、通知が届いても放置されてしまうこともあるかもしれません。
ホームネットでは通知を送るだけにとどまらず、ご自宅まで訪問して安否確認をするプランもあります。



まとめ

孤独死が発生すると、様々な手続きが必要になります。特に相続人がいない場合には、手続きが煩雑化し貸主が負担を抱えることもあります。
孤独死リスクを軽減するには、孤独死保険の活用や見守りサービス導入など、事前の対策が将来の負担を大きく減らす鍵となります。
ホームネットの見守りサービスについては、下記のリンクをご覧ください。

 


ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 Haruka.N

金融機関での個人顧客対応を経験し、ホームネット株式会社へ入社。

現在は、高齢者様向けサービスの提供を通じて、安全で安心な生活のサポートに取り組んでいます。

私生活では、仲間とテニスで汗を流し、心身ともにリフレッシュしています。





  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INQUIRY

お問い合わせ

緊急通報サービス

位置情報提供サービス(GPS)

健康診断予約代行サービス

見守りサービス

コールセンターサービス

定期巡回・随時対応サービス
(スマケア)

家財整理サービス

そのほかに関するお問い合わせ

ページTOP