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孤独死による賃貸物件価値の低下を防ぐためのヒント~第6回孤独死対策サミットから学ぶ~

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孤独死による賃貸物件価値の低下を防ぐためのヒント~第6回孤独死対策サミットから学ぶ~

先日、一般社団法人日本少額短期保険協会主催の第6回孤独死対策サミットが開催されました。
現代の日本では、単身世帯の孤独死が大きな課題として浮上しています。
孤独死は、賃貸物件を運営する管理会社やオーナーにとってできる限り避けたい課題であることでしょう。
本コラムでは、内閣府が発表した「我が国の孤独・孤立対策について」を基に実態や背景、状況についてまとめています。
国の方針を知り、動向を抑えるのに役立ててみてください。

孤独・孤立についての定義

まず「孤独」と「孤立」は何が違うのか?
内閣府では、「孤独」と「孤立」には、「主観的概念」か「客観的概念」かの違いがあると定義付けています。

孤独

主観的概念であり、ひとりぼっちと感じる精神的な状態を指し、寂しいことという感情を含めて用いられることがあります。

孤立

客観的概念であり、社会とのつながりや助けのない又は少ない状態を指します。

たとえば、一人旅行を満喫している人のように、周囲から見ると“孤独”な状況にあるように見えても、本人は孤独を感じていないといった場合には「孤立しているが、孤独ではない」と言えます。
「一人でいること」自体が問題ではなく、悩みや困りごとが生じた際に一人で抱え込んでしまい、複雑化・深刻化することが問題とされています。


孤独・孤立の現状

では実際、どのくらいの人が孤独を感じているのでしょうか。

令和5年に内閣府は「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」を実施しました。
以下は、調査の結果をグラフに表しています。

<調査方法>
3つの質問の回答点数化し、合計スコアを集計する形で調査

①あなたは、自分には人とのつきあいがないと感じることがありますか。
②あなたは、自分は取り残されていると感じることがありますか。
③あなたは、自分は他の人たちから孤立していると感じることがありますか。


gurafu.png

この調査から、約4~5割の人が何らかの孤独を感じているとわかっています。


孤独・孤立の背景

さらに、「第9回孤独死現状レポート」によると、孤独死した人の中で年齢別で見た場合、現役世代:65歳以上=47.5%:52.5%となってます。
勿論、日本国民全体で見た場合、孤独死ではない人や生きている人もいますが、どの世代でも起こり得る可能性があると考えられるでしょう。
孤独・孤立の発生理由について内閣府では、主に以下の3つを挙げています。

理由①働き方の多様化

テレワークやフリーランスといった新しい働き方が普及した一方で、同僚や職場とのつながりが希薄になるケースも増えています。
自宅での生活が中心となることで、仕事と生活の切り替えがうまくできず、ストレスを抱える場面も少なくありません。

理由②デジタル化によるネットワークの変化

SNSやオンラインコミュニケーションの普及により、物理的な距離を超えて交流が可能になった一方で、直接対面でのつながりが減少しました。
ネットワークのつながりは、心の安定や深い信頼感をもたらすこともありますが、時に孤独感を助長することもあります。

理由③コロナ禍の影響

コロナ禍の緊急事態宣言により一時的につながりが制限されました。
「おうち時間」「STAYHOME」による一人の時間が増えたことで、対人能力に影響が出ている様子も見受けられます。
また、対人関係のトラブルによる孤立も近年増えています。


孤独・孤立に関するその他リスク

また、「WHO社会的つながりに関する委員会」によると、社会的孤立は喫煙や肥満、運動不足と同等以上の健康リスクを持つとされています。
社会的なつながりの弱さが1日15本分の喫煙と同程度の健康への影響があるという研究結果もあります。



国の施策

これまで上げた問題に対する国の施策を、5つほど例を挙げて説明します。
自治体ごとに取り組みがあるので、自分の住む自治体の施策を調べてみるのもよいでしょう。

孤独・孤立対策推進法の制定

令和5年に孤独・孤立対策推進法が制定され、令和6年から施行。
この法律の基本理念は以下のように定められています。

①孤独・孤立は誰にでも起こり得る問題であり、社会全体で対策の推進を図る必要があること
②当事者(孤独・孤立の状態にあるもの及びその家族等)の立場に立ち、状況に応じた支援を継続的に提供すること
③支援を通じて社会や他者とのつながりにより、孤独・孤立からの脱却し日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようになることを目標として、必要な支援が行われること。



「孤独・孤立対策強化月間」の実施

令和6年5月に「孤独・孤立対策強化月間」として令和6年より本格的に広報・啓発活動を実施しています。
具体的なイベントは以下のようなものがあります。

  • 「ぷらっとば~す(※)」の開設

 (※)ぷらっとば~す…2024年5月1日から2024年5月30日の間に期間限定で開設された仮想空間<メタバース>
 誰もが"ぷらっと"訪れ、同じ空間でいろいろなコンテンツに触れて、それぞれ"ぷらっと"帰っていく。
 そんなゆる~くつながれる場所、それが「ぷらっとば~す」です。

  • 孤独・孤立相談窓口

 チャットボットによって、悩みに合わせた窓口を探すことができます。

  • 孤独・孤立対策強化月間ポスターの展示
  • 特設WEBページでの各自治体・NPO等の取組紹介


地域での支援

地方自治体と連携し、地域ごとに「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」が設立されています。
情報を共有し、人と人とのつながりを生むための連携を促進することを目的としています。


孤独・孤立対策推進金の交付

「孤独・孤立対策に関する施策の推進を図るための重点計画」に基づき、地域の実情に応じた孤独・孤立対策を推進しています。
令和6年の交付団体は18団体です。
…北海道、青森県、山形県、福島県、群馬県、埼玉県、神奈川県、富山県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、兵庫県、鳥取県、徳島県、香川県、愛媛県、熊本県

「つながりサポーター」の育成

孤独・孤立問題に対する理解を広めるため、「つながりサポーター(※)」の人材育成を行っています。
(※)つながりサポーター…孤独・孤立の問題について知識を身につけ、身の回りの人に関心をもち、できる範囲で困っている人をサポートする人(内閣府より)


孤独死対策としての見守りサービス

孤独死はどの世代でも起こり得ます。
管理会社・オーナーの中には、日々の業務もあり見守りまで手が回らない方も多いでしょう。
弊社の「HNハローライト」という見守りサービスは、管理会社・オーナーが訪問したり電話で安否を確認する代わりに電球で見守りを行います。

異常発生時、代わりに現地へ駆けつけることで早期発見に貢献します。
また、弊社だけでなく他の見守りサービスも様々リリースされています。
入居者の属性・事情などに合わせて選択するのが良いでしょう。


まとめ

現状、孤独死は65歳以上の高齢者だけの問題ではないということが広まりつつあります。
誰もが可能性のある孤独死に、IotやAIといった技術を活用しながら、地域全体で取り組むことも大切です。
今後国の施策も、評価・改善が進められる予定です。
管理会社やオーナーも、こうした施策を参考にしながら、孤独死の対策を立てていくことが求められます。
孤独死は想像より身近なものだからこそ、事前対策を行い、住人が長く住み続けたくなる物件づくりを目指しませんか?




ホームネット株式会社

著者情報

ホームネット株式会社 Sugiyama.M

2024年に新卒で入社。

生活に欠かせないインフラとして住まいを支えるサービスの提供、

持続可能な社会の構築に寄与するという企業理念に惹かれ入社を決意。

憧れる先輩、上司に揉まれながら力戦奮闘してます。

 




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