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感情労働と人手不足が重なる現場 ー医療・福祉業界でメンタル不調が増える理由と、企業が考えたい対策ー

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感情労働と人手不足が重なる現場 ー医療・福祉業界でメンタル不調が増える理由と、企業が考えたい対策ー


医療・福祉業界は、社会にとって欠かせない役割を担う一方で、働く人の心身に大きな負荷がかかりやすい分野でもあります。

近年、この業界ではメンタルヘルス不調をきっかけとした休職や離職が増え、経営上の課題として意識される場面が多くなってきました。
この記事では、医療・福祉業界でメンタル不調が増える理由と、企業が考えたい対策についてまとめてみました。

 


1. 医療・福祉業界に特有の「感情労働」

医療・福祉の現場では、患者や利用者、その家族と向き合う時間が日常業務の大部分を占めます。
こうした仕事は「感情労働」と呼ばれ、専門的な知識や技術に加えて、感情をコントロールしながら対応することが求められます。

厚生労働省の統計を見ると、医療・福祉分野は精神障害に関する労災請求や認定件数が、他の業種と比べて多い傾向にあります。
令和6年度の過労死等労災補償状況でも、医療・福祉業は精神障害の請求・支給決定件数が最も多い業種として報告されています。

その背景には、夜勤や交代制勤務、慢性的な人手不足に加え、利用者や家族からの強い要望やクレームへの対応など、複数の負荷が重なっている実態があると考えられます。

 

2. メンタル不調は「個人だけの問題」ではない

メンタルヘルス不調というと、「個人のストレス耐性」や「向き不向き」の問題として捉えられることもあります。
しかし、各種調査データを見ると、必ずしもそうとは言い切れません。

厚生労働省の労働安全衛生調査では、仕事や職業生活に強い不安やストレスを感じている労働者の割合は8割を超える水準で推移しています。
これは、メンタルヘルスの問題が特定の人だけに起きるものではなく、多くの働く人が直面しうる課題であることを示しています。

特に医療・福祉の現場では、業務の性質上、ストレス要因を完全になくすことは難しいのが実情です。
そのため、「不調が起こらないようにする」だけでなく、不調が起きた際に早く支えられる体制があるかどうかが重要になってきます。

 

3. 放置した場合に考えられる経営への影響

メンタルヘルス不調への対応が後手に回ると、さまざまな影響が連鎖的に現れることがあります。

・長期休職や離職による人材の流出
・現場の人手不足のさらなる深刻化
・残された職員への業務負担の増加
・サービスの質や安全性への影響

精神障害による労災認定件数は年々増加しており、令和6年度には過去最多を更新しています。
こうした状況からも、メンタルヘルスの問題は一部の例外的な出来事ではなく、どの事業所でも起こり得るリスクとして捉える必要がありそうです。

 

4. 従来の対策だけでは足りない場面も

多くの医療・福祉事業者では、ストレスチェック制度の実施や管理職向け研修など、法令に沿った取り組みが進められています。
ただし、日本生産性本部の調査では、ストレスチェック制度について「集団分析の結果をどう活かせばよいか分からない」と感じている企業が多いことも明らかになっています。

また、社内相談窓口を設けていても、「周囲に知られてしまうのではないか」「評価に影響しないか」といった不安から、実際には利用されにくいケースも少なくありません。
人間関係が密になりやすい医療・福祉の職場では、こうした心理的ハードルがより高くなりがちです。

5. 近年注目されている支援のかたち

こうした背景から、近年は外部の専門家が対応する、匿名性の高い相談体制に注目が集まっています。
社外の医師や看護師、心理職などが相談を受ける仕組みは、守秘性が確保されやすく、早い段階での相談につながりやすいとされています。

世界保健機関(WHO)も、職場のメンタルヘルス対策への投資は、生産性の向上などを通じて費用以上の効果が期待できると報告しています。
国内外の研究からも、予防的な支援体制を整えることが、離職の抑制や職場の安定につながる可能性が示唆されています。

6. まとめ:経営として向き合うという視点

医療・福祉業界におけるメンタルヘルス対策は、単なる福利厚生や現場任せの取り組みにとどまるものではなくなりつつあります。
人材の確保がますます難しくなる中で、安心して働き続けられる環境を整えることそのものが、事業運営の土台になってきていると言えるでしょう。

不調をできるだけ早く察知し、必要な支援につなげる。
そのための仕組みをどう整えるかは、これからの事業継続を考えるうえで、経営判断として検討していきたいテーマの一つです。



【出典・参考資料】

厚生労働省「令和6年度 過労死等の労災補償状況」
厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」
公益財団法人 日本生産性本部「メンタルヘルスの取り組みに関する企業アンケート調査」
WHO/外部相談窓口・EAP関連資料


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著者情報

ホームネット株式会社 田中 翔

不動産の売買営業と賃貸営業の経験を経て、ホームネット株式会社へ入社。
ホームネット株式会社では、
コールセンターサービスを中心に、高齢者様向けのサービス提供に従事し、
「住まい」を軸に、暮らしの安全・安心を支える生活支援サービスを提供しています。

 

 

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